« 竹中平蔵氏の退陣 | トップページ | 岩田一政日銀副総裁の と・な・り »

2006年9月24日 (日)

米国産牛肉輸入再開(再掲載)

いよいよ、吉野家で牛丼が発売されました。マスメディアは何やら奥歯にものの挟まったような報道をしていましたね。

 

本件に関しては、7月30日の外国為替基礎講座4の前フリで触れたんですが、やはりあまりに不愉快な話なので、再掲載させて頂きます。

この全く非科学的な「劣情」を煽られて損をしているのは我々国民です。

益を得たのは、、、ブログに書いた通りです。

 

ちなみに、ヴォータンはアメリカが自分達が食べもしないものを「食え」と言って輸出しているのならともかく、Tボーンステーキ(絶対輸入禁止の骨付き肉)にむしゃぶりついているのに、危ない!と異常なまでに「安全」にこだわるつもりはありません(更に細かくはブログをご覧下さい)。

 

逆に、米(コメ)は素性の分かっている「うちの家族も食べてるよ」と言う農家の方から買うものしか食べていません。玄米に近い状態で食べているんで、あの農薬は恐くて、、、

 

まさか、農家の皆さんが

「自家用」と「出荷用」で農薬や化学肥料の使用度合いを変えている

ことをご存じ無い方はもういらっしゃいませんよね?

 

ただ、この件に関して誤解の無い様に申し添えますと、これも消費者側の異常なまでの「清潔思想」によるものです。

 

農作業をしている自分に悪影響のある農薬を使いたい人などいません。

 

いくら、

「味は変わらないよ。むしろ虫が食っていたり、曲がっているものの方がうまいんだよ」

と言っても、現実問題として、

 

「ちょっとでも虫が食っていると店頭で買ってもらえない為に、農家としては農薬を多く使わざるを得ない」

 

と言う図式の裏には、

 

「世界で一番厳しい目をもった消費者」

 

と言うプラスの面と、

 

「世界で一番非常識なまでの清潔さと安全(大量の農薬を使う為むしろ危険ですので、『見た目の安全』とでも言うべきでしょうか)を求める消費者」

 

と言うマイナスの面もあると言う事を認識しておく必要があると思います。

 

ちなみに、店頭のきゅうりは全部まっすぐですが、あれは農家がひとつひとつプラスチックの筒をかぶせて曲がらないようにギブスをはめているからです。

大変な作業ですが、曲がったきゅうりはやはり出荷出来ないそうです(これは、曲がっていると箱に入りにくいと言う取り扱う業者の要請でもあります)。

大リーグボール養成ギブスじゃあるまいし、矯正されたまっすぐのきゅうりと言うのは本当においしいんでしょうか?

 

++++++++本ブログ 7月30日+++++++++++

いよいよと言うか、当たり前の話ですが、米国産牛肉の輸入再開が決定しました。

この問題を見ていると二つの問題点に気付きます。

 

(1)日本の消費者の異常なまでの潔癖症と根拠の無い国産<安全>信仰

(2)「庶民」と言う、実体の無い(=反論のしにくい)正義を背景に、戦前と同じ様に、その場の「空気」で世論を誤った方向に誘導する低レベルのマスコミ

 

―まあ、所詮「マス」コミですから、クオリティを求める方がいけないのかも知れませんが。

ただ、第三の権力として、マスコミが無責任に国民を煽り、またそれに世論が流されるのがこの国の恐いところなんで。

(一億火の玉・鬼畜米英が、一晩で「マッカーサーさん有難う」に変わりましたよね)

 

世の中に「絶対」と言うものは、ヴォータンが間違いなく百年後には死んでいると言うことぐらいでしょう。

その中で、少しでも間違いを少なくして生きて生きたいと言う発想から、科学的・論理的・確率論的思考が発達してきたと言う側面があると思います。

 

さて、今回の米国産牛肉禁輸問題に関しては、その冷静な科学的思考が働いていないと思います。

 

日本のBSE感染牛は、すでに20頭を越えています。それに対して、アメリカのBSE感染牛は、たしかまだ2、3頭です。その日本で飼育されている牛の数は、アメリカの100分の1以下です。

つまり、ざっと計算しても日本の方が、発生確率が1000倍も高いことになります。

 

こう言うと、

「日本は全頭検査していてアメリカはやっていないからだ。」

と言う反論が出ますが、BSE感染牛の発見は、「肉」の検査時点だけではなく、すでに病死する時点での異常からも発見されていますから、百歩譲っても、10倍程度の差は残ります。

 

つまり、「国産牛は安全」「アメリカ牛は危険」と言うレッテルを貼るのは、おかしなことなのです。

ヴォータンのいい加減な計算でも、10倍程度の差と言うのは大きいですよ。

 

原因はかなりはっきりしています。

マスコミと言うのは、「忘れるのが早い」と言う情けない習性がありますが、日本でBSE感染牛が発見された時、

 

「『肉骨粉』がBSEの発生源と指摘され、世界各国で使用がやめられているにも拘わらず、その輸入と使用を続けたのが日本だ。」

 

と言うことが暴露されました。

 

つまり、日本の方が危険な行為を続けていたので、BSE感染牛がどんどんと発見されたのは当然のことなのです。より危険だったのは国産牛です。

 

この件に関しては、当時マスコミも厚生労働省の業界よりの姿勢を叩きまくっていたと思ったのですが、アメリカでBSE感染牛が出て「輸入禁止」となった途端に、みんなそろって吉野家に行ってしまいました(ほんとに、情けない)。

彼らの厚生労働省批判が、所詮、得意の「官僚叩き」(世論の劣情を煽る)でしかなかったことは、この一件でも分かります。

 

繰り返しになりますが、残念ですが「国産牛」の方がはるかに「危険」だったのです。

その不安を拭うには、非科学的と言われようが「全頭検査」をせざるを得なかったと言うのが、日本のおかれていた状態です。

 

本来あるべき姿とは、

「これは、アメリカの○○と言う食肉業者が××と言う、定められた加工基準に基づき製造した食肉である。」

と、明示して販売し、買うか買わないかは消費者の選択に任せることです。

 

2億数千万人が日本人の何倍も大量に牛肉を消費しているアメリカで、クロイツフェルトヤコブ病は発生していません。恐いのはBSE感染牛じゃなくて、この病気だったんじゃありませんでしたっけ?

 

もし、アメリカが「危険だから自分達は食べない」と言う牛肉を輸出してるんなら、ヴォータンも怒りますけど。

 

実は、アメリカ産牛肉が禁輸になった為に、牛肉の価格のみならず、鶏肉、豚肉の値段も上昇しました(これは、経済学的に当たり前のことです)。

 

つまり、消費者全体が、「安全神話」の為のコストを払った訳です。

 

むしろ、消費者から選択の自由を奪い、高い国産牛肉が安全であるかの様な方向へ世論操作をしたのは、国内のノイジーマイノリティ(この件で利益を得る人達)を守る為ではないかと疑うべきだと思います。

« 竹中平蔵氏の退陣 | トップページ | 岩田一政日銀副総裁の と・な・り »