偉大なる?素人:日銀総裁
2006年頃から、このブログをお読み頂いている皆さんは、ヴォータンが日銀に対して批判的であることが十分お分かり頂けると思います。
何しろ、
「福井日銀総裁はお辞めになるべきです」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_46bb.html
「失われた10年は銀行の責任か?」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_80c8.html
「(続)福井日銀総裁はお辞めになるべきです」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_685d.html
「前川レポートの恥ずかしい中身」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_e131.html
「(続)前川レポートの恥ずかしい中身」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/07/post_ae91.html
「日銀はだれのものか」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_b8ac.html
「(続)日銀はだれのものか」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_5a6d.html
「日銀は何を間違えたのか」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_a11f.html
「前川レポートの恥ずかしい中身(再論)」
http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_3a3b.html
「日銀インサイダー」 http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_330d.html 「日銀の説明責任-『誰にも信頼されない中央銀行』への道 http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_355c.html 「日銀の利上げ-2つの圧力」 http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_b706.html 「グローバル経済を学ぶ-前川レポートはやっぱり間違い}
と、まあ日銀の政策そのものから始まって、その姿勢・倫理的問題にまで及んで批判をしていますから、、、
おまけになりますが、mixiのコメントで色々な方とお話した中で、こう言うことも述べています(mixiに入っていらっしゃらないの為に再録します)。
+++++++++ mixiでのコメント ++++++++
おっしゃる通り、大蔵省=政治(私は、同一と見ています)の問題も大きいと思います。
ただ、日銀が政策担当官庁の一つとして(且つ、公務員ではないとして、都市銀行と同等=大蔵省の役人よりはるかに高い給料を食んで、立派な社宅に住んでいる)存在している以上、その政策の結果責任を問いただすべきだと思います。
――スミマセン。ちょっと脱線しました m(--)m
三重野総裁は、前任の大蔵省出身の澄田<無策>総裁に対するあてつけで、日銀の総意として急激な利上げをやったと言う見方もありますが、少なくとも日銀の事務方は澄田総裁の無策を支持していました。
それは、その後の「岩田Vs.翁論争」を見ても分かります。
つまり、三重野総裁の行為は、無策を正しい策としていた日銀の事務方さえビックリするようなトンデモない行為だと言うことになります。
私には、当時の三重野総裁の行為は、国民の劣情を煽るマスコミの力を借りて、対大蔵抗争をしかけたバクチ的行為としか思えません。
日銀首脳の無能ぶりを嘆くのは、実はその前に伏線があります。
澄田総裁の前任に、前川春雄という日銀生え抜きの総裁がいました。日米経済摩擦が激しくなった時、(辞任後ですが)「前川レポート」なるものを出したんですが、これがトンデモナイものでした。
もし、お暇があれば読んでみてください。国際経済学のイロハすら知らないトンデモナイものです。
しかも、総理の委託で元日銀総裁がまとめたレポートと言うことで、公式のものでしたから、その馬鹿さを見事にアメリカに突かれて、民間企業はとんでもない苦労をさせられました。
この程度の人物を「生え抜き」として総裁に祭り上げる日銀の「政策官庁」としての能力にずっと疑問を感じています。
日銀は、大蔵との抗争があればあるほど、正しい金融経済理論に基づいた政策官庁であるべきだったはずですが、その点で大蔵にはるかに及ばないお粗末な官庁だったと思います。一体、何をやっていたんでしょうかね?
++++++++引用終わり++++++++++
さて、いよいよ「投資の素人」を自認した金融人としての倫理観の欠如した福井総裁が退任します。
武藤敏郎日銀副総裁(元大蔵事務次官)を任命するかどうかで、自民党と民主党とがぶつかっているようで、ぶつかっていないようで、、、、
その後任人事をめぐってメディアは、
「日銀総裁選びを政争の具にするな」
ともっともらしい批判をしていますが、これはまったく的外れです。
また、民主党は
「元大蔵省(財務省)の人間(官僚)の天下り先にするな」
と反対していますが、これも的外れです(まあ、財政と金融の分離と言うタテマエ論はありますが)。
後任人事をめぐって正しい批判をするならば、
「金融政策の素人を任命するな」
となるべきです。
武藤敏郎氏の経歴をwikipediaから引いてみると
- 1968年 - 経済研修
- 1969年 - 関税局企画課係長
- 1970年7月 - 彦根税務署長
- 1975年 - 在ワシントン日本国大使館一等書記官
- 1978年 - 主計局
- 1982年6月 - 石川県商工労働部長、のち総務部長
- 1984年7月 - 主計局主計官(文部係)
- 1988年6月 - 銀行局中小金融課長
- 1990年6月 - 大臣官房秘書課長
- 1992年6月 - 主計局次長(次席)
- 1994年7月 - 主計局次長(主席)
- 1995年5月 - 大臣官房総務審議官
- 1997年7月 - 大臣官房官房長
- 1998年5月 - 大臣官房総務審議官
- 1999年7月 - 主計局長
- 2000年6月 - 大蔵事務次官
- 2001年1月 - 財務事務次官 / 大蔵事務次官から改称
- 2003年1月 - 財務省顧問
- 2003年3月 - 日本銀行副総裁
ちょっと、ごちゃごちゃして見にくいですが、要するに金融政策にたずさわった経験はありません。
ましてや、エコノミストとして働いたことも、金融論を経済学的に学んだ形跡もありません。
つまり、この方は「金融のまったくの素人」です。
おそらく日銀副総裁になってから、お勉強をされた程度でしょう。
武藤氏の大蔵省時代の評価は、「寝業師(人事関係がうまい)」です。余談ですが特段キレ者とか豪腕と言う評価はありません。
この金融業界で働いたこともなければ、エコノミストでも経済学者でもなく、金融理論もマクロ経済学も学んだことすらない人が総裁になると言うのは、一体どういうことなのでしょうか?
星野監督にサッカーの日本代表監督をやれと言っているのと同じことです。
しかも、日銀総裁はG7や、隔月で定期的に開催されるBIS(国際決済銀行)の中央銀行総裁会議などで、国際的なコミュニケーションが求められます。
この様な会議の場に出てくる他国の総裁は、ひとりの例外も無く英語でのコミュニケーションが出来ます。
ところが、武藤副総裁は英語がからっきしダメだと伺っています(福井総裁は、何とか、、、、)。
「通訳を連れて行けばいいじゃないか」
と思われると思いますが、実はそうは行きません。
何故、G7やBIS会議と称してわざわざ集まるのでしょうか?
これだけ通信網が発達しているのですから、テレビ会議で十分なはずですよね?
実は、欧米の連中の文化では、公式の会議やセミナーには、必ず立食のパーティーやら何やらでオフィシャルではない会話が出来る機会が設けられています。
そこで、ワイン・グラス片手に「立ち話」をするのが、実は本音を探るのに有効なんです。
しかも、1対1で話をしますから個人的な親密感も醸成されます。これが、大事なことは洋の東西を問わず常識ですよね。
と言うことで、武藤氏は会議に行っても、同時通訳のついた公式会議以外では何も出来ない人になってしまいます。
公式会議にだけ出るのであれば、飛行機代と時間がもったいないですから、日本だけはビデオ・コンファレンスで参加すれば十分でしょう。
ちょと脱線しましたが、ともかく「金融の素人」が総裁や副総裁になるこの国のシステムは異常です。
日本の組織の「ゼネラリスト」万能主義の弊害を見る思いです。
これは、ある外資系証券会社のエコノミストの方からお聞きしたのですが、
「総裁と副総裁は素人でいいと法律で決まっている」
そうです。そんな馬鹿なヾ\(* ̄m ̄)バンバン と思って日銀法を調べてみたら、確かに彼の言うとおりでした。
++++++ 日本銀行法 ++++++++++
(役員の職務及び権限)
第二十二条 総裁は、日本銀行を代表し、委員会の定めるところに従い、日本銀行の業務を総理する。
2 副総裁は、総裁の定めるところにより、日本銀行を代表し、総裁を補佐して日本銀行の業務を掌理し、総裁に事故があるときはその職務を代理し、総裁が欠員のときはその職務を行う。
(中略)
(役員の任命)
第二十三条 総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する。
2 審議委員は、経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣が任命する。
+++++++引用終わり+++++++++++
(・_・o)ジーーーーーッ
何となくフンフンと読み飛ばしてしまいそうなんですが、太字の部分にご注目下さい。
「経済又は金融に関して高い識見を有する者その他の学識経験のある者」
と言う、まったく当たり前の資格要件が定められているのは、「審議委員」であって、総裁にも副総裁にもこの資格要件は適用されていません。
うーーーーーーーーーーーーーーん、、、(___ ___ ;)尸マイッタ
的外れの議論をする政治家とメディアの狂想曲が終われば、我々は国際的コミュニケーション能力に欠ける「金融の素人」の中央銀行総裁を迎えることになります。
ちなみに、アラン・グリーンスパン元FRB議長は、
「ジュリアード音楽院卒」
だから金融の素人だろうと勘違いしている人もいらっしゃるかもしれませんが、その後ニューヨーク大学で経済学を学び、博士号までとっています。
しかも、アメリカを代表する経済調査会社(コンファレンス・ボード)に勤務し、その後独立して自分の経済調査会社を経営(これは大変なことです)して、成功しています。
昔のことなのでご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、フォード政権の大統領経済諮問委員会の委員長と言う重責も担った後の中央銀行総裁就任です。
後任のバーナンキ議長が、高名な経済学者であることはご存知の通りです。
製造業には素晴らしいプロが大勢いる国なんですが、、、、
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波乱の時代(上) 著者:アラン グリーンスパン |
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波乱の時代(下) 著者:アラン グリーンスパン |


