民主党のアメリカ共和党のアメリカ
| 民主党のアメリカ共和党のアメリカ (日経プレミアシリーズ 15) 著者:冷泉 彰彦 |
先日、アメリカの下院で、いわゆる金融安定化法案が予想外の「否決」となった為に、NYダウが911以来となる777ドルも急落しました。
金融安定化法案に関しては、日経新聞などできちんと内容が報道されているので、そちらを参照していただくとして、ヴォータンは自分自身の体験もありますが、それを補強する上で、この本を読んでいたお陰で、「否決」は意外ではありませんでした。
答えは簡単です。
「あの、草の根の保守層が、この様な政府支出にYesと言う訳が無い」
と言うことです。
著者の冷泉氏は、アメリカ在住の作家ですが、アメリカの社会に関して非常に冷静なレポートを送り続けている方です。
ヴォータンは、アメリカがレッド・ステート(保守的=共和党支持)とブルー・ステート(リベラル=民主党支持)に分裂していることは、前回のブッシュVs.ケリーの大統領選挙で非常に強く感じたのですが、もはや「ステート=州」単位の分裂ではなく、州の中でも都市部(含む都市近郊)とそれ以外で明らかな分裂が起きていると見ています。
その見方があながち外れでは無いことがこの本を読むとよく分ります。
また、保守とリベラル、小さな政府と大きな政府、プロ・ライフとプロ・チョイス、銃規制賛成と反対の真の背景と言った、絶対に理解しておくべき概念についても、極めて分りやすく丁寧に書かれています。
冷泉氏は、レポートを読む限りリベラル=民主党支持だと思われますが、この本はその様な党派性を超えて、アメリカの思想としての分裂状態に関して、非常に鋭いレポートとなっています。
アメリカ嫌いだろうがアメリカ好きだろうが、この地球上に生きていく限り、このアメリカと言う国・アメリカ人と否応無く付き合っていかねばなりません。
世の中には、いい加減なアメリカ批判やアメリカ礼賛本が大量に出回っていますが、その様なものを読む必要は一切ありません。
これは、誤ったアメリカ理解をしない為に、是非読むべき良書だと思います。
