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2009年4月 6日 (月)

「おテレビ様と日本人」を読む

何の気なしに手にした本です。

著者の林秀彦氏と言う方に関して、何も知りませんでしたが、日本のテレビ界のある一時代を画した方の様です。

おテレビ様と日本人 Book おテレビ様と日本人

著者:林 秀彦
販売元:成甲書房
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タイトルから、日本人がいかにテレビ好きかと言う程度の、社会戯評的な内容を想像していたのですが、内容ははるかに重いものでした。

 

何度も申し上げている通り、ヴォータンはTVをほとんど見ません。

特に、TVドラマと言った製作者の作為の強く入ったものは見ませんから、せいぜいメジャー・リーグの中継程度です。

 

それだけに、著者のテレビに対する本質的な批判に、非常に共感を持てます。

 

ともかく、テレビを見ると言う行為は受身です。

しかも、作り手のレベルが低い為に、非常に低俗な内容が一方的に流され、それを受けてしまっています。

そこには知的な営みがありません。

著者は言います

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一度でもいいから、実験して体験してみてほしい。

テレビを見ている人をじっと横から気づかれないように観察するのだ。

その人の表情の動き、目の反応、身体の動きなどを五分でいいから細かく見るのだ。

どれほど痴呆的になっているかが、はっきりわかるはずだ。

普段は相当のインテリで、博識ある人でも、テレビを見つめている無意識の反応は、白痴そのものになる。

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ヴォータンが言う「受身」を、より辛辣に表現しています。

さらに、「24」や「ER」と言ったエミー賞を受賞した番組に関して、

「製作志向はあらゆる面での底辺を基準としたマジョリティーである」

と、醒めた評価をしがならも、返す刀で

 

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(この程度の番組ですら)登場人物たちは、非常に日常的な会話として、日本人にはついていけない、理解不可能な知性的な言葉遣い、単語使用をしている。

日本風に聞けば、「理屈っぽい」「難しい」「専門的な」「気取った」「かっこつけた」「仰々しい」「大げさな」「特殊な」言葉遣い、ということになる。

だから、日本語への翻訳者は、実に苦労して、それらの単語や言い回しを‘噛み砕き’、意訳せざるを得ない。

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と、日本の映像文化を切って捨てています。

確かに、ヴォータンはずっと

「ザ・ホワイトハウス(原題:The West Wing)」

などを見続けていますが、そこでの会話は非常に知的なものです。

 

著者は、日本の活字文化に関しては、世界でも相当に高い水準に行っていると認めながら、それが映像文化になると(とくにテレビ)、おおよそ馬鹿げたものになると批判しています。

 

「最低線」

と酷評する海外のドラマの中に

「考える喜び」

が、まだ含まれているのに対して、日本のテレビ界にはその様なものを作り出そうと言う、文化が無いと批判しています。

 

ドラマの脚本家として活躍された方なので、どうしてもドラマを中心とした批評となっていますが、ヴォータンはもう一歩進めて、ジャーナリズム精神を持たないメディアとしてのテレビにも迫って頂きたかったと思います。

 

かなり、感情的な表現も多く、読みづらい本だと思いますが、いまのメディア特にテレビに対して、違和感を感じていらっしゃる方は、一度お読みになってみても良いと思います。

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