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2010年5月25日 (火)

リーダーとしての覚悟

社内報が送られてきました。

1面は台北オフィスのスタッフが、ボランティア活動をした時の集合写真。

ヴォータンは、このブログでも何度か触れましたが、中国南方地域に行くと、そのまま現地に溶け込んでしまう風貌をしています。

「国際都市って何?東京はやさしい街」

http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_6e15.html

 

集合写真を見ていて、

「うーーん、この中に並んでいても、自然だ、、、」

と変に感心してしまいました。

 

などとお馬鹿な話はどうでもよくて、ページをめくると、次は装甲車の前で完全武装している兵士の写真。

何とイラクの最前線にいる社員です。

 

アメリカの大学の授業料は比較的高いですから、裕福な親に恵まれない人は、ある程度働いて、お金を貯めてから大学に入ることがよくあります。

実は、軍から奨学金をもらうと言うのも、比較的ポピュラーな手段です。

 

詳しい話は知らないのですが、私の知る限り、卒業後「通算」数年間兵役につけば、返済免除となるはずです。

それで、時々会社を休んで、兵役に行く社員が出ます。

兵役と言っても、実際に戦争が起きなければ、訓練を受けて駐屯地なりどこかの基地なりに行ってオシマイと聞いていました。

 

ただ、ずい分昔の話になりますが、私の隣にいたディーラーが、その

「訓練に行く」

と言って、オフィスを離れていました。

最初の内は、顔まで完全に迷彩をほどこした3人が並んだ写真を送ってきて

「私は、どれでしょう?」

なんて言って来ていたので、

「お気楽でいいよな」

などと、笑っていたのですが、突然サダム・フセインがクウェートに侵攻し、湾岸戦争が勃発してしまいました(1990年)。

 

それから、連絡が無いので、てっきり派遣されたかと心配したのですが、ある日

「侵攻の3日前に除隊になって、ちょっと旅行してた」

とヒョコッと戻ってきて、安心したことを思い出しました。

 

しかし、この社員は間違いなくイラクにいます。

 

「安全な地域」

を条件にイラクに派遣された自衛隊員(それでも、大変だと思いますが)ではなく、まさに戦闘員として現地にいる社員です。

 

こう言うものを見ると、アメリカ人にとって、「戦争」「軍事」と言うものが、我々日本人より、はるかに身近なものだと言うことを感じます。

 

今回、中国との戦略・経済対話の為にアジアに来たクリントン米国務長官の、日本での滞在時間は3時間でした。

 

元々クリントン夫婦は、アンチ日本ですが、それにしても懸案を抱える同盟国での滞在時間としては、異例の短さだと思います。

 

「学べば学ぶほど、海兵隊の抑止力が、、」

などとと言ってしまう総理と、毎日兵士の命を掛けている国の国務長官では、話が出来なくなってしまっているのではないでしょうか。

 

しかも、辺野古に逆戻りする理由として

「韓国の艦船に対する、北朝鮮の魚雷、、、」

と、何をいまさらとしか言い様の無い発言をしていますので、ますます

「相手として不足」

と見られていると思われます。

 

日本は幸せなことに、現在「戦争・紛争」に関わっていません。

一方、世界の主要国の首脳は、何等かの形で兵士を交戦状態にある場所に送って、死者を出しています。

 

戦争反対を唱えることは、大切ですし、何も好き好んで戦争をやれと言うつもりは毛頭ありません。

しかし、現実問題として武力を行使しないと収まらない局面があることも事実です。

  

「あなたの命令で、兵士は死地に赴きますが、、」

と、問われて毅然と

「その命令を下すのが、私の使命である」

と答えるだけの、覚悟が無い人はリーダーにはなれません。

 

ブラウン首相の失言に関して書いた時に、触れた様に、その様な国の国民は、自分の子供、夫を戦場へ送る可能性を持つ人間として、厳しい目を向けて政治に向き合っています

 

地道な政治活動実績はゼロで、どの程度政治的な見識があるのか分からないタレント議員が、ぞろぞろ誕生する国では、総理にも覚悟を求めるのは無理なのかもしれません。

危うい連立(保守党と自由民主党)

日本にも保守党と言う名称の政党があったことがありますが、もちろんこれはイギリスの話です。

43歳と言う若さで、ブレア元首相の記録を6ヶ月更新して、キャメロン党首が最年少首相に就任しました。

ただ、保守党の306議席では、過半数の326議席に届いていません。

その為、自由民主党の57議席と合わせて、連立政権を樹立しました。

 

306議席+57議席=363議席>326議席

ですから、数の上では安定した連立政権と言うことが言えます。

 

ところが、この両党に関しては、理念と言うところで大きな違いがあります。

 

保守党はあくまで、独立独歩のイギリスを目指しているのに対して、自由民主党は欧州の一員としてのイギリスを目指しています。

 

例えば、老朽化したトライデント核ミサイルを更新して、独立した核抑止力の保有を目指す保守党に対して、汎欧州安全保障体制の樹立を目指す自由民主党は、更新に反対です。

当然、「統一通貨ユーロ」への参加に関しても、保守党は「不参加」、自由民主党は「参加」です。

何しろ、保守党は「英国主権法」を制定して、むしろ英国議会の権限が、大陸欧州から犯されないことを狙っています。

また、財政赤字削減に関しても、保守党が

「今年から60億ポンドの削減」

としているのに対して、自由民主党は

「2011年から」

とし、むしろ

「今年はグリーン・テクノロジーに対して31億ポンドを支出する」

としています。

 

この件に関しては、昨日

「62億5千万ポンドの歳出削減を今年から開始する」

と、保守党の公約通りとなったのですが、

「その内5千万ポンドは、教育・福祉予算として支出する(差し引き62億ポンドの削減)」

と、自由民主党の顔を立てて、やや分かりにくいものとなっています。

 

では、労働党と自由民主党との連立となったらどうだったのでしょうか?

労働党は258議席ですから、自由民主党の57議席を合わせても、この2党だけでは、315議席で過半数(326議席)に届きません。

 

実は、イギリスは2大政党と言いながら、自由民主党を含め9つの政党が議席を持っています。

内訳は、

民主統一党      8議席

スコットランド国民党 6議席

シン・フェイン党    5議席

プライド・カムリ党   3議席

社会民主労働党    3議席

緑の党         1議席

同盟党         1議席

諸派           1議席

となっています。

合計が649議席と、定数に1足りないのですが、候補者が選挙中に無くなったことで、投票が延期になっています。

 

さて、このあまり聞いたことのない名前の政党は、基本的に地方の独立を掲げている「シングル・イシュー政党」です。

 

過激派から穏健派まであるのですが、比較的穏健なスコットランド国民党、ウェールズを代表するプライド・カムリ党、北アイルランドの社会民主労働党を加えると、327議席となります。

 

実は、一時、労働党がどうしても政権に留まりたい為に、このグチャグチャな連立を狙うのではないかと言う話が出てきて、英ポンドが売られ株式にも悪影響が出ました。

 

結果的に、保守党と自由民主党との連立となったことから、この「悪魔の連立」は回避出来たのですが、やはり「理念の違い」は大きいと思います。

 

キャメロン首相がイートン校→オックスフォード、クレッグ副首相もウェストミンスター校→ケンブリッジと、典型的なエリート・コースを歩んでいますので、相性が合うのではないかと言う評価もあります。

確かに、自由民主党のクレッグ副首相は、実は保守党の欧州委員の政策アドバイザーを務めていたことがあります。

 

それでも、この両党の支持者が、「理念」がこれほどまでに違うのに、妥協しながら政策を打ち出していくことを、いつまで容認出来るのか、怪しいと思われます。

 

1974年の少数与党の時には、連立ではなく「協力」と言う形で組閣がなされましたが、結局8ヵ月後に、もう一度解散総選挙を行ないました。

その時は、2度目の選挙で労働党が単独過半数をとったのですが、今回は、

「何度選挙をやっても、どの党も単独過半数をとれない」

と言うリスクがあります。

 

イギリスの政治動向には十分に注意が必要だと思われます。

 

えーーーと、日本は、、、、っと、、(_o)?  (o_)?

テクニカル分析/チャート分析って何?(外為市場の嘘:再録)

ヴォータンが、このブログを始めたのは2006年の5月。

当時、外国為替証拠金取引と言う形で、個人投資家が本格的に外国為替市場に参入して来ていました。

それに便乗する形で巷にあふれ出した「為替本」のたぐいが、あまりにひどいので、不快だったのですが、現役時代は仲間内で愚痴ったり、馬鹿にしたりするのがせいぜいでした。

その後、外国為替取引の世界から一度足を洗ったことで、初めてヒマになったので、正しい情報を提供して対抗しようとして、このブログを始めたと言う訳です。

最近は、あんまりひどいものは、さすがに減っていますが、依然として勢力を保っているのが、このテクニカル分析/チャート分析と言うものです。

 

ヴォータンは、テクニカル分析/チャート分析と言うものに、極めて否定的です。

 

ところが、世の中には「テクニカル・アナリスト協会」等と言う団体まで存在しています(当然任意団体、NPO法人ですが)。

 

2006年当時のブログに書いたのですが、ヴォータンはテクニカル分析/チャート分析は「占い」の仲間だと思っています(と言ったら、真面目な占い師の皆さんに怒られそうですが、、、スミマセンm(--)m

 

実は、以前書いた「テクニカル分析批判」を再録しようと思ったのは、ご存知の方も多い藤巻健史氏が、やはり最近の著書で、まったく同じ意見・見方を披露していらっしゃったからです。

 

++++++++「金融情報」はこう読め より++++++

私はチャートが大嫌いなことで有名です。

私がチャートを信用しない理由には2つあります。

1つは、チャート分析はコンピュータにデータをインプットして、アウトプットを取り出すという考え方に似ていると思うからです。

(中略)

大きく儲かる時は、マーケットが大きく動く時です。(中略)プログラムを変えないといけない時です。

プログラムを同じにしておいて、過去のデータをいくら入れてもダメだと思うのです。

2つ目の理由は、科学的だと思えないからです。

+++++++++++

として、血液型分析を信じるのは、世界中で日本人だけ(韓国もそうだと聞いたことはありますが)であり、それと同じだと斬り捨てています。

 

さらに、ヴォータンと全く同様に、長年の経験から一言。

+++++++++

私が勤務していた頃、JPモルガンも高いお金をかけて豪華なチャートルームを作ったことがあります。でも、結局2~3ヶ月で撤去されてしまいました。

有名なチャーチストを雇ったのですが、すぐいなくなりました。

われわれリスクテーカーは誰一人としてチャーチストの言うことを聞かなかったからです。

私の知っているシニアのリスクテーカーで、チャートに頼って勝負をしていた人はいません。

少なくともJPモルガンには誰もいなかった。

ヘッジファンドのオーナーでも、私の知る限り1人もいませんでした。

彼らに話をする時に、チャートの話をしたら、それこそそれ以降誰も私の話を聞いてくれなくなっていたのだろうと思います。

(中略)

マーケットは深遠で怖い存在ですから、何かに頼りたくなる。

誰誰さんの言うこととか、チャートとかに頼りたくなるものです。

一緒のおまじないというか宗教なのです。

頼るべきは自身で培った経済とか金融の知識だと思います。

+++++++++++++

 

はい。

全く同感ですし、藤巻氏同様に、ヴォータンも、チャートに頼って勝負をして勝ち続けた(この世界で生き残った)ディーラーやヘッジ・ファンドは知りません。

30年近くマーケットにいる人間が、二人もそう言っているんですから、そろそろ信じて頂きたいんですが、、、、

 

以下、再録させて頂きます。

+++++++++++

外国為替市場の嘘(Part II):テクニカル分析って何?

http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/part_ii_640c.html

「えびちゃん」って知ってます?

倖田來未の時には、

「名前が読めない」

「歌を知らない」

「顔が分からない」

の三重苦だったんですが、今度はちゃんと世間についていってた、、、、、つもりでした。

しかし、、、ゆうべの会話

 

ヴォータン「えびちゃんのフルネームって何だ?」

娘     「ン?えびはらゆり。」

ヴォータン「へぇーーー、芸名までタイアップして『エビ』にしたんだ。

       マクドナルドの『シュリンプバーガー』の宣伝やって売れ

       たからか?」

娘     「う、それを言うなら 『えびフィレオ』。 しかも、順番が逆。

       蛯原友里って名前でCanCamのモデルやってて人気が

       出たから、マックが商品の名前に引っ掛けて使ったの。」

 

ついでに、昨日まで CanCa「n」 だとン十年思ってました。

CanCa「m」 だって、みなさん知ってました(^^;)?

 

いかん。また脱線しました。娘がCanCamの「占い」を見てるのを見て、

「あ、『チャート分析=占い』って話を書かないと、、、」

と思ってたんでした。

 

ヴォータンは、テクニカル分析に関しては、極めて否定的です。

取引手法としては失格ですし、ましてやテクニカル分析で相場を予想することは

「占い」

と同等だと思っています。

これがまた良く似てるんですよ。

 

実は、ヴォータン自身は一時期ものすごくテクニカル分析について勉強しました。

本を読むだけでなく、セミナーと言うセミナーに出まくり、優秀なテクニカルアナリストの話が聞けると聞いては、香港まで飛行機代を使って出かけてました。

PCでプログラミングして、トレーディングモデルを作ったり、、、、

 

(結論)

チャートですから、地図です。過去の推移を見て、今の相場の水準がどのレベルにあるのかを確認することにだけ使って下さい。

 

1.分析としての有効性の検証が無い

もし、本当に有効なものなら、

「儲けよう」

と鵜の目鷹の目で狙っている世界中の投機家・投資家達が見逃す訳がありません。

その証拠に、ファンダメンタルズ分析や、各種の運用手法に関しては、どの市場に関しても山ほど研究論文が出ています。

 

もちろん

「研究論文が出てるから有効」

とは言えませんが、少なくとも有効性の検証をきちんとすることは、

「分析手法」

と謳う限り最低限必要なことだと思います。

 

「テクニカル分析による予想」

とか、

「テクニカル分析のルール」

と言うものは、巷に氾濫していますが、その有効性をきちんと検証した研究論文どころか、検証作業がなされたメモすら寡聞にして知りません。

25年この世界に棲んでるんですけど私だけが見なかったんでしょうか??

 

テクニカルアナリストと称する、もしくはテクニカル分析を「提供」する人間は、少なくとも過去の予測とその結果について検証すべきでしょうね。

 

「サポートを切れたと思ったら、これはだましに終わった。よって、依然としてトレンドは有効で、ターゲットは○○円、、、」

 

なんて言われても、サポートを切れた時に損切りして投げたヴォータンは、、、、、、(--)

 

2.取引手法としての有効性の検証が無い

テクニカル分析は、

「予測」

「取引手法」

と言う二つの面を併せ持っています。

 

トレンド相場ならトレンド系(移動平均線など)、レンジ相場ならオシレーター系(RSI、ストキャスティクスなど)を使い、線が交差したらとか、○○%になったらと言う取引手法をとります。

 

テクニカル分析のセミナーで

「ご質問は?」

と言われて、ヴォータンが必ず聞いたのは、

 

「トレンド系とオシレーター系があることは分かりました。」

「テクニカル分析は、

『すべての情報は価格に反映されている。よって、人間の恣意的な判断が入らず、純粋な分析が可能』

と言うのが根本思想だと思いますが、

『今の相場がトレンド相場なのかレンジ相場なのかを判定するテクニカル分析』

はどれですか?」

 

嫌われましたね、、、、、、、

まともに答えた講師、答えられた講師は皆無でした。

 

ヘッジファンドが使っているような、ロングショート、ペアトレード、スタットアーブ、レラティブバリュー、、など諸々の投資手法に関しては、少なくとも

「取引手法としての有効性と問題点」

の検証がなされています。

 

しかし、ギャンアナリシスも含めて、テクニカル分析は取引手法としての有効性の検証がなされていません。

 

3.そもそもの思想がおかしい

「マーケットのすべての情報は価格に反映されている。よって、その動きをつぶさに観察・分析することで人間の恣意的判断がはいらない、純粋なマーケットの予測が可能」

と言うのがテクニカル分析を信奉する人達の主張の根拠です。

 

そう言われると、

「なるほど、すべては価格に反映されているんだ。しかも価格=数字なら、○○円って形できちんと出るから正確だ。」

と思いがちですが、

「過去の取引の記録としての数字」

があるのは当たり前であって、これから起きることまで読み込む訳がありません。

 

思い出すだにおぞましいですが、

<「911」の時にテロリストが旅客機をオフィスビルに突っ込ませ、ドルが急落するという事象を「事前」に読み込んでいた>

とはとても思えません。

 

4.黄金律?言葉の遊び?素人を幻惑するテクニカルターム(特殊用語)

(1)数字の魔術=黄金律を使えばそりゃ誰だって出せますよ

テクニカル分析には、色々な宗派がありますが、一番驚くのは黄金律派です。

フィボナッチ級数がうんぬんで、レオナルド・ダ・ヴィンチも、モナリザも、ミロのビーナスも、61.8%がどうの38.2%がどうの、よってターゲットは○○円。

 

歴史的偉業に裏打ちされていて、しかも価格がいくらであるべきかちゃんとピタッと数字を出してくれます。

しかも小数点以下なんとかまで。

そりゃ、計算式を持ち出せばそうなりますが、その正確性・有効性についての検証がなされたことはありません。

 

(2)言葉の魔術

「○○日移動平均線が△△円にあり、ここがサポートとなる。ここを切れと、大幅な下げになり、次のサポートは××円。逆に、レジスタンスは、、、、」

これ、何も言っていないのと同じなんですよね。

何故、サポート(またはレジスタンス)となるかと言うことに関して何も言ってません。

○○日移動平均線の有効性の検証も、統計的になされたものではありません。

 

しかも、そのサポートが

「前回の安値と前々回の安値を結んだ線の延長」(これ、正しいルールですよ)

だと聞いても、何故サポートなのか論理的に説明出来るとは到底思えません。

 

聞いている方は、テクニカル分析が本業ではありませんから、なにやら難しそうな

 

「ボリンジャーバンドが、、、、ストキャスティクスが、、、61.8%が、、、、半値八掛け五割引、、、、オシレーター系が、、、、ポイントアンドフィギュアが、、、、塔婆が立って、、、、RSIが、、、、ゴールデンクロスが、、、、ウィリアム%Rが、、、、首吊り線が出て、、、、一目均衡の雲が出て、、、、月が出た出た♪月が出た♪♪」

 

分かるわけ無いですよね。でもその反証をする訳ではありませんから、

「フンフン」

と聞くしかありません。

 

つまり、電話なら顧客としゃべっている時間を埋める道具、文章ならスペースを埋めただけです。

 

これって、「占い」に似てませんか?

 

予想すると言う点でもそっくり、検証出来ないと言う点でもそっくり。

 

じゃあ、「ヴォータンは見てないのか?」って?? 

 

見てますよ。地図を見ないと自分がどこにいるか分かりませんからね。市場の状況を観察する為に見てますよ。でも、それだけです。

 

リスクを取りに行く時は、誰でも不安ですからなにか拠り所が欲しいものです。

本当は自分は

「買いだ」

とか

「売りだ」

と決めていても、実際に手を出す時には勇気が要ります。

 

その時に

「ポン」

と背中を押してくれると言うものなら、テクニカル分析でも神田明神のおみくじでもはたまた黒ネコでもいいんですね。

 

テクニカル分析が有効だと主張するみなさん、まさか

「みんなが見てるから有効だ」

なんて言わないで下さいね(--;)

 

ちなみに、テクニカル分析のみでリスクをとった人が四半世紀を生き抜いた姿をヴェータンは見たことがありません。

 

経済物理学の発見 Book 経済物理学の発見

著者:高安 秀樹
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この高安さんという人は、物理学の分野の方です。市場の動きの分析を物理学の手法をベースに科学的にやろうという極めてまともな試みをされています。

後半の「所得」とか「通貨」に関しての考察では、基礎的な経済学的知識の不足を感じますが、前半のコンピュータを駆使した市場取引の統計的分析は非常に面白いものです。ディーラーが「勘」としてやっていたことを「検証」してくれています。

余談ですが、この高安氏もチャート分析に関しては

++++引用(123ページ)++++

このようなパターンを詳しく書いたような書籍も多数出版されていますが、ほとんどの本では、うまく適用できた場合だけを紹介し、どのような確率でそのパターン推定の方法が有効であるかを客観的に分析したものは見たことがありません。過去のデータに対して、何%の確率で推定方法がよい結果を出したのかまで明記してあれば、その結果は、科学的なものになります。科学的な分析をした本が増えてくることを期待します。

++++引用終++++

と、書いていらっしゃいます。

要するに、「科学的ではない」と、、、、、、だから「占い」

+++++++++再録 終わり++++++++

2010年5月24日 (月)

ブラウン元英首相の失言

イギリスの総選挙では保守党が勝ったものの、単独過半数を取れず、自由民主党との連立政権を組むことになりました。

自由民主党が得票率23%で、議席率では8.8%となったことから、死票の多い単純小選挙区制の弊害を感じた方も多いと思いますが、その辺りの話は、あちらこちらで指摘されていますので、パスします。

 

「連立だから、必ずしも不安定ではない。私の政権も連立政権です」

と、お祝いの電話で話したと語った総理大臣を見て、恥ずかしさのあまりTVを消してしまいましたが、、、

 

今日は、日本でも一時報道されたブラウン首相の失言問題に関して、発生直後に某メディアの知り合いからコメントを求められて、返信したメールを再録させて頂きます(一部、記事になっています)。

ちなみに、彼からの質問は

「あの程度の発言で、大きな影響が出ると思うか?」

でした。

++++++++++++

ブラウン英首相の発言は、選挙戦に深刻な影響を与えると懸念しています。

理由は以下の3点です。

bigotと言う単語

もちろん、これは宗教や政治、人権に関して頑迷な人と言う意味なんですが、当社の英語国民に確認したところ、

「普通の意味はそうなんだけど、この使い方だと、相手をひどく非難していることになる。皆さんも知っている典型的な差別用語のracistよりもひどい語感がある」

と言っていました。まあ、一国の宰相が他人を評価して使ってよい言葉ではないそうです。

 

②再犯

記事にもある通り、ブラウン英首相の評判は

his reputation as arrogant, bullying and bad-tempered.

です。

日本ではどの程度報道されたのか定かではありませんが、昨年の11月頃に

「戦死者の遺族に宛てたお悔みの手紙に、重大な誤字、誤記があり、遺族が激怒した」

と言う事件がありました。

 

イギリスでは、戦死者に対して総理大臣が、「直筆のお悔みの手紙を出す」との習慣があるとのことです(私も、11月の事件があるまで知りませんでした。もしかしたらブラウン英首相だけがやっているのかもしれませんが)。

 

その手紙で、戦死者の名前を間違った(JanesJames)上に、文章にも誤字が目立っており、(condolence:おくやみ と言う重要な言葉のスペル・ミスもあったらしいです)、しかも「書きなぐった様な筆跡」であった為、遺族が激怒したと言う事件です。

ちょっと、気の毒なのは、ブラウン英首相は、子供の時に片目を失明しており、残りの目の視力にも障害がある為、どうしても「悪筆」となりがちなことです。

ただ、その後、ブラウン英首相自身が電話をして謝罪しているのですが、その電話の録音が公開されて、問題が深刻化しました。

ジェーンズ夫人が

「英軍のヘリコプターなどの装備の不備が無ければ、息子は死ななかった」

と問い詰めた時に、

「十分だった」

と強い調子で答えてしまいました。

当時、議会では、アフガニスタンでの戦争目的が不明確、且つ派遣軍の装備が不十分とのことで、保守党から攻撃を受けていました。

 

それだけに、思わず「十分」と語気を強めてしまったのでしょうが、

「イギリスの地上軍は、同じアフガンのアメリカ軍と比較しても、明らかに空からの支援が不十分」

と言うのは、共通認識となっていたそうです。

 

その為「arrogant」「bullying」と言う印象だけが残ってしまいました。

そこへ、今回の発言ですので、「またか」と言う印象が強いと思われます。

柔道で言う「合わせ技一本」で負けとなるかもしれません。

 

③興奮した発言

仰る通り、単語の選び方に問題があったにせよ、単に

「彼女の偏見はひどいな」

程度だったら、それほど大きな問題とはならなかったと思います(色々な意見があるのは当然ですから)。

ただ、私も1回しかテープを聞いていないのですが、その前後に

Disaster!

「誰があんな人を相手に選んだんだ」

と側近に対して、強い調子で文句を言っている声が聞こえました。明らかに「興奮」している様子が分かりました。これは、彼のもう一つの

bad-tempered(気難しい、短気)」

と言う評価を強めてしまったと思われます。

しかもこれは、2004年の民主党大統領予備選で、それまで絶好調だった、ハワード・ディーンが、アイオワ州の党員集会(つまり一番最初ですね)で予想外の3位となった時に、いくつかもの州の名前を次々に挙げて

「負けるもんか!イエー!!」

と叫び続ける映像が報じられた途端に、支持率を激減させたことに通じると思います。

つまり、「冷静さを欠く人間はトップにはなれない」と言う、冷徹な市民の評価です。

 

これは日本人としては、やや理解がしづらい(私は、ハワード・ディーンが叫ぶのを見て、「これは元気だ。へこたれない人だ」と思ってしまった方なので)のですが、大統領と首相と言う違いがあっても、自分自身、自分の夫や子供が、その命令により戦地に赴くことが有ると言う意識が、

「冷静さを欠く人物」

を嫌う背景にあるのだと想像しています。

その意味で、車に乗り込むなり、即座に側近をなじる声が放送されてしまったのは、大きなマイナスだと思います。

 

おまけですが、車に乗る直前まで

「お話しできて良かった」

と、ニコニコと彼女に手を振っていて、乗り込んだ瞬間に

Disaster!」

と言ってしまったので、二枚舌的な印象も与えてしまったと思います。

 

あそこは、愛想笑いや手を振ったりせずに、

「厳しい指摘だが、重要な問題だと思う」

とでも言って、少し難しい顔をして車に乗り込むべきだったと思います。

さっきから、色々と外電を見ているのですが、「すぐに謝罪に行った」と言う点は、評価されているようです。

+++++++++++++++

2010年5月16日 (日)

ユーロって何?

「一週間のご無沙汰でした」は、故玉置宏氏のキャッチ・フレーズですが、気付いたら10ヶ月程ご無沙汰してしまいました。

 

実は、お休みさせて頂くことを書いた当時、Mixiの方では本音を書いています。

 

++++++++++

「忙しいから」と言うのは、あくまで大本営発表型公式見解です。時間なんて、作れば良いことですから、、、、

ちょっと前から、気楽に筆が進まないので、

「どうしようかな?」

と、思っていたのですが、昨日のお昼過ぎに、外資系のヘッジファンドにいた昔の部下から電話が掛かってきて、

「活動を縮小するので、解雇になった」

と言われて、ふっと気持ちが切れてしまいました。

私の様に、子供が育ってしまった家と違って、学齢の子供を抱えてロンドンと東京を行き来して頑張っていた彼や、保育所と会社とダンナの世話で「130時間欲しい」と言っていた女性たちが、とんでもなく苦労しているところを見ていると、「気楽な日常雑記と経済面での批評を混ぜながらブログを運営していく」と言う、当初の目論見通り書き続けていくのは、心理的に無理になってしまいました。

+++++++++

 

この状態が解決した訳ではありませんが、少なくともみんな、何等かの糸口をつかんで、立ち上がって来ています。

 

特に、失職した後、彼女の能力なら1時間もあれば出来る仕事を、半日掛けてやるのが当たり前と言う日本の会社に、短期雇用と言う形で勤めていた部下が、最近

 

「以前と同じ様に、『思いっきり効率よく働いて良い』と言う会社に入りました」

 

と言ってきたので、私も一区切りついたかなと思う様になっています。

来週、「就職祝い」でディナーに行く約束をしたのですが、タオルを持っていって、苦労話を聞いて一緒に泣いてやろうと思います。

ちなみに、候補として3軒挙げたんですが、ちゃんと一番高い店を希望してきました(――;)

 

それにしても、ホワイトカラーの能力を向上させ、「長時間労働体質」を改めない限り、「人間を幸せにしない、日本と言うシステム」言う批判に、反撃を加えることは出来ないと思います。

 

さて、今日ブログを書いてみようと思ったのには、もう一つ訳があります。

 

ご存知の通り、最近「ユーロ問題・ギリシャの財政赤字問題」が、大きく取り上げられています。

実は、東京外為市場の古株の参加者や、昔から市場関連をカバーしているメディアの人達の間で、ヴォータンがガチガチの「ユーロ・ペシミスト」であることは周知の事実です。

 

何しろ、年季の入り方が違います。最近ユーロ圏の問題が取り上げられる様になったことに便乗して「水に落ちた犬は叩け」とばかりに批判的になっている訳ではありません。

 

1995年頃だと記憶しているのですが、

 

「統一通貨の名称をユーロ」

 

とすると発表された頃から、相手構わず、ところ構わず自説の「ユーロ懐疑論」をぶっていました。

 

某紙の論説委員から

「ヴォータンさんに、ユーロの悪口をしゃべらせたら、半日は止まらない」

と冷やかされているくらいの、筋金入りのユーロ・ペシミストです。

 

確かに、二度の世界大戦の戦場となり、辛酸をなめた欧州各国(特にドイツとフランス)が、二度と戦争をしない為に、「一つの欧州」になろうと言う崇高な目的を掲げたことは、素晴らしいことです。

 

しかし、目的が崇高で正しければ、手段はどうでも良いと言う論理は成り立ちません。

 

目的の崇高さを掲げ、批判を圧殺したり、我慢することを強要することで、手段の非合理性を覆い隠すことは、短期的には可能かもしれません。しかし、経済合理性を欠く政策は、長期的には必ず破綻します。

 

何しろ「半日しゃべってる」と揶揄されるほどなので、とても書き切れないのですが、ちょっとかいつまんで記録してみると、以下の様になります。

 

①通貨だけを統合することの欺瞞性

そもそも、通貨だけを先に一緒にすることは、おかしなことですし、順番が違います。

 

「一つの欧州にして、戦争を無くす」ことが目的であるならば、さっさと各国の議会を解散し、欧州議会(一応、出来ていますが)に議員を送り込むと言う形で、政治的な統合をすることが先決のはずです。

 

その上で、各国の制度面の違いを減らして行き、違った通貨であっても、同じ税率や規制の下ですべての企業や個人が活動出来る様にします。

 

そうすれば、後の問題は、各国の通貨単位が異なることだけになります。その時点で「統一通貨」に変更すれば、問題は起きません。

 

ところが、実際には通貨の統合を先行させ、制度や政治と言ったドロドロしたものの統合は、その後と言う逆の順番を設定してしまいました。

 

そして起きたことは、バブルとその崩壊、そして財政赤字の急膨張です。これは後講釈でも何でもなく、15年以上前から批判されていたことです(ヴォータンだけではありません)。

とにかく、通貨だけは一つになりましたから、政策金利も一つです。

 

ところが、欧州圏各国の信用力・効率性・経済力には、相当な格差があります。

 

例えば、信用力と言う点で見るならば、ユーロ導入まで、ギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリアなどの国の通貨の金利は、常にドイツを上回っていました。

 

「インフレ傾向があった為、政策金利を下げられなかった」と言う説明も出来ますが、ズバリ「信用が無いから、高い金利を払わないと金を貸して貰えなかった」と言った方が、より正確だと思います。

 

ところが、ユーロと言う通貨の信用がついたことで、これらの国の金利も下がることになりました。

 

その為、スペイン等では住宅ローン金利が下がり、今回のアメリカなど相手にならない規模で、住宅バブルが発生し、そして崩壊しました。ちなみに、スペインの失業率は20%です。

ミクロでは信用力のある企業や個人があるとしても、マクロでは7%が妥当な水準であるはずの経済に3%の金利をつけたのですから、信用バブルが起きない方がおかしいと言う話です。

 

そして、経済合理性の無いもの(=バブル)は、長期的に破綻しますから、、、破裂してしまいました。

 

 

②一つの金融政策 Vs. バラバラな財政政策と制度

また、統一中央銀行により、政策金利は一つなのに、財政政策に関しては、各国が主権を手放していませんから、別の問題も抱えています。

 

景気の悪くなった国では、政策金利を下げ、市中の流動性を高め、緩和的な金融政策を採ることで、景気を刺激します。

 

日本では「景気対策=公共事業=財政政策」と言うイメージが強いですが、先進国の常識的な景気対策の順番は、まず金融政策が先です。

 

ところが、当然、ユーロ圏では金融政策は、個別の国の事情では発動出来ません。

 

実は、2007年にサブ・プライム・ローン問題が大きく取り上げられ、信用危機から景気後退へと言う道をたどる前の時点で、すでにスペイン、ポルトガル、ギリシャ、イタリアと言った国は、景気後退局面に入っていました。

 

当然、これらの国は政策金利を下げて欲しかったのですが、ドイツをはじめ中心部に位置する、フランス、オランダ、ベルギーと言った国では、景気後退は顕著ではありませんでした。

 

しかも「ユーロ圏のインフレ率」を計算すると、そこそこにプラスでしたし、

 

「原油価格の急上昇がインフレを加速するのでは?」

 

と言う懸念の方が、欧州中央銀行(ECB)には強く、何と1年後の20087月まで、せっせと政策金利を「引き上げ」ていました。

 

こうなると、これらの国は景気は、ボロボロになりますから、それぞれ財政政策で補うしかありません。その為、頑張って財政出動をしたのですが、景気が悪く税収が落ち込む時にやっていますから、財政赤字はどんどん膨らむ一方となりました。

 

それが今回、ユーロ危機が皆さんの目にはっきりと見えてきた要因です。

確かに、放漫な財政運営をやってきたこれらの国を非難するのは簡単です。しかし、先進国の標準的な景気対策である「金融政策」が打てない為に、余計に財政に負担が掛かってしまったと言うことは、ユーロ圏の制度の問題として情状酌量の余地はあると思います。

 

 

③一つの欧州とは?

また、制度・政治統合を後回しにし(しかも、ヴォータンが危惧した通り、10年間ほとんどほったらかし)通貨統合を先行させて、「危機」を起こしてしまったことは、経済面以外にも、ユーロ圏諸国に大きな傷を残すことになりました。

 

今回のドイツとギリシャの国民のののしり合いは、大変なものになりました。

 

ただ、実は日本でも、皆さんのご存じない、こんな話があります(完全にオフレコです)。

 

景気後退に悩む宮崎県は、マンゴーや地鶏と言ったヒットはあったものの、超高いマンゴーでも2万円、地鶏に至っては数百円の話で、インドの超安い自動車が25万円であることと比べても明らかな通り、マクロ経済的にはお話になりません。

 

そこで、東国原知事は、公共事業による景気刺激策を取ることを決断し、失業者を公務員として雇い、一度掘った道路を何度も掘り返したり、イノシシしか渡らない橋を作ったり、公務員手当ての増額と言う直接的なバラマキまで行ない、景気の浮揚を図りました。

 

しかし、そうこうする内に、宮崎県の発行する県債の金額が膨れ上がり、

 

「本当に償還出来るのか?債務不履行(デフォルト)になるのでは?」

 

と言う噂が流された為、2年物で19%と言う、消費者金融並の金利を払わないと、投資家に買ってもらえないと言うことになりました。

 

尚、宮崎県では

「鏡に映った宮崎県の姿が醜いのは、鏡を持ってくる人間が怪しからんからだ。しかも、歪んでいるではないか」

 

として、鏡を宮崎県に向けた人間に対して、裁判を起こすとしています。

 

さて、そこで東国原知事は、47都道府県に対して「宮崎県救済資金」の提供を要望しました。

 

橋下大阪府知事は、自分の財政も火の車なのですが、ここで政治力を発揮することで、全国知事会での地位を高めることが出来ること言う野心と、東国原知事とはTV番組などでも顔見知りと言うこともあり、「前向き」との回答をまとめようとしました。

 

ところが、石原東京都知事は、

 

「あんな放漫な財政運営をやってきた県に、何故都民の税金をつぎ込まないといけないんだ?日本国憲法には、財政赤字は県内総生産の3%に収めると定められている。そもそも労働者の1/4が公務員などと言う県が、まともにやっていける訳が無い。しかも地方自治体同士が、財政面で援助(貸し借り)し合うことは、憲法で禁止されている」

 

と、突っぱねました。

 

頭にきた東国原知事は、

 

「そもそも2700年程前。神武天皇が、大和を平定する為に、日向(宮崎)の高千穂を出る際に、優秀な人材と、宮崎県民が用立てた軍資金の金塊を全部持っていってしまった」

「その後、江戸幕府が朝廷を脅して、人材と金塊を江戸に巻き上げ続け、明治になってからは、陛下自身が『東京遷都』と称して、全部東京に持っていってしまった」

「あの人材と金塊を返してくれれば、宮崎はこんなことにはならなかったはずだ。金塊が戻るだけでも、当然、財政を黒字に出来る」

 

と非難しました。

これには、都知事だけではなく、「金塊泥棒」呼ばわりされた東京都民も怒り、有力な週刊誌である「東京ウォーカー」は、表紙に酒瓶を持って裸踊りをする東国原知事のマンガを掲載し、「ニッポンのならず者」と言うタイトルをつけました。

 

これに怒った宮崎県民が、東京都の宮崎事務所を襲撃し、とても東京からカネを借りるなどと言う段階では無くなり、しかも返済期日が迫った為、東国原知事は、日銀の白川総裁に

 

「かつて昭和40年代に、山一證券が倒産しかかった時、日銀は『日銀特融』と言う形で資金を提供して救済した実績がある。今回は、宮崎県に『日銀特融』を出すべきだ」

 

と迫ったのですが、総裁は

 

「日銀の使命は、物価の安定です。今日の政策決定会合では、県債の購入と言う議題すら出ませんでした」

 

と、中央銀行が財政面での支援を行なうことを、冷たく否定しました。

 

 

などと言う事は、ありませんが。。。。。。。。。。

 

もちろん、東国原知事をギリシャのパパンドレウ首相とその他高官、橋下知事をサルコジ仏大統領、石原都知事をメルケル独首相、白川総裁をトリシェECB総裁と置き換えれば、実はここ2ヶ月程にユーロ圏で起きたことそのものです。

 

もうお気づきだと思いますが、どこにも「鳩山首相」「国会(衆議院、参議院)」が出てきていません。これは別に、鳩山首相の指導力云々と言う問題ではありません。

 

現実問題として、ファンロンパイEU大統領も欧州議会も登場して来ないので、この話に大統領役として「鳩山首相」を入れることが出来なかったと言うだけです。

 

これがいかにおかしなことかは、もうお分かり頂けたと思います。

 

通貨統合後10年、欧州大統領も欧州議会も作ったものの、お飾りでしかなく、どの国の政治家も自分の利権(政治権力)を手放そうとしなかったことは明白です。その結果、ユーロ圏の存続を怪しいものにしてしまったことも、間違いありません。

 

③最適通貨圏

そもそも何で通貨統合を先に持ってきたのでしょうか?

 

ヴォータンは、「マルクス経済学と言うのは、学問ではなく宗教だ」と見なしていますが、そのマルクス経済学者の言う

 

「資本家が労働者を収奪する(変な日本語ですね)」

 

目的があったと見ています。

 

統一通貨ユーロが誕生することで、

 

「人、物、カネがスムーズに行き来出来る様になる」

 

と言われました。

 

確かに、効率の低い経済分野から効率の高い分野へと資源が移ることは、結果的に経済全体、国民全体が豊かになりますから、好ましいことです。

ですから、何の気なしに聞いていると、

 

「障害が減って、効率的になって素晴らしい!」

 

と言う事になってしまいますが、問題は「人」です。

 

ここで言う「人」は、お気軽な「旅行者」では無く「労働力」としての人です。

 

ヴォータンは、市場主義者ですから、規制や裁量にまかせるよりは、極力市場(価格)に任せることが正しいと信じています。

 

しかし、人間の問題は、「市場の失敗」を起こす可能性が高いと思っており、安易な市場原理の導入には反対です。

 

ちょっと、考えれば分かることですが、40歳、50歳まで働いて身につけてきたスキルが、技術革新や制度の変更によって、ある日突然陳腐化してしまったとします。

 

その人のスキルは、新入社員と同じレベルに落ちましたので、同じ給料に戻すのが、合理的な人事制度となりますが、果たしてこれで、会社や社会が、健全な再生産を繰り返していけるでしょうか?

 

ちょっと、脱線しました。この件は、別に議論する必要があります。

 

ここでは、「労働力」としての人の移動の問題です。

 

(株)ユーロ圏と言う会社があるならば、ギリシャ支店で非効率な仕事に従事している従業員(労働者)を、効率の高いドイツ支店に配置転換することが合理的です。

 

これによって、(株)ユーロ圏全体の効率性は上がります。従って、移動した従業員にも以前より高い給料を払えますので、会社も従業員もハッピーなはずです。

 

ところが、「人」は「労働力」と言う無名の資源ではありません。地域社会で成長し、家族や親戚、友人などとの色々な係累を持った「一個の人格」です。

 

しかも、言葉が通じません。言葉が通じないと言うことになると、提供出来るのはレベルの低い「単純労働」の域に留まります。

 

この単純労働者の移動の問題については、以前

「移民、不法就労、人道的な立場とは?」(20075月)

http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_a580.html

 

3K移民を禁止せよ」

http://wotan.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/3k-538b.html

 

で、論じていますので、そちらをご参照下さい。

 

ともかく、

 

「あんな氷点下になる様な、寒くて暗くて窮屈な国になんか行きたくない」

 

と、言うギリシャ人は大勢います。そもそもこの様に国をまたいでいなくても、イタリアでは南部の人間は、失業していても北のミラノなどには、行きたがりません。

 

平気で大移動するのは、「辞令一枚で移動するのが当たり前」(そのかわり、正社員の身分を上げるよ)と言う日本と、西部開拓史時代からの移動癖が抜けないアメリカ人、それと自国にいては発展が望めず、結果的に世界中に出て行ったイギリス人ぐらいのものでしょう。

 

従って、「人」にもホーム・バイアスが掛かって、バラ色の統一経済圏が想定した様な、移動は置きにくい訳ですから、それぞれの国での個別の経済政策が必要になります。

 

話が、戻りますが、通貨を一緒にしてしまったが為に、金融政策が使えませんから、財政政策一本やりとなり、破綻してしまうことになります。

 

 

④見通し(ユーロ圏離脱制度の確立

本当に「半日でも、、」になりそうなので、この辺で切り上げます。

 

ここ数ヶ月、メディアの皆さんに、さんざん吼えました。皆さん正しい認識で記事を配信していらっしゃいますから、そちらをご参照下さい。

 

さて、この先は?と言うところですが、ヴォータンは、一部の国の離脱による「ユーロ圏の縮小」と見ています。

 

そもそも、「二度と戦争をしない、、、」と言う崇高な目的が掲げられたのは、今から60年以上前のことです。

 

戦争の記憶が生々しい上に、冷戦と言う新しい戦争状態が続きましたから、

 

「一緒になることそのものが目的」

 

と言う言葉には、説得力がありました。

 

しかし、その後ベルリンの壁の崩壊と中国の開放経済体制入りと言う大事件を経て、冷戦は終了しました。

 

現在は、地域紛争やテロは起きているものの、「世界大戦」と言った事態が生じる可能性が小さくなっています。

 

ましてや、ユーロ圏に於いてドイツとフランスが、マジノ線を挟んでにらみ合うなどと言うことは、もはや想像すら出来ません。

 

そうなると、「二度と戦争をしない為に」と言うユーロ圏のユーロ形成と言う崇高な目的自身が、実は怪しくなっていたことになります。

 

ヴォータンは、90年にベルリンの壁が落ちて、この「戦争の脅威」がなくなったのに、統一通貨ユーロ、ユーロ連邦の形成に突き進み続けたのは、それが保身の為に必要だったユーロ官僚と、それによって利益が上がる資本家のニーズがあった為だと思っています。

 

BBCなどの街頭インタビューを聞いていると面白いのですが、ドイツでも、ギリシャでも、スペインでも、一般市民に

 

「ユーロになって良かった事は?」

 

と聞くと、

 

「旅行した時、両替しなくて済んだ」

 

ぐらいしか返って来ません。逆に悪くなった事はと聞くと、賃金が下がった、失業したなどなど、それこそ半日でもまくし立てています。

 

もちろん、人は「悪いこと」の方が口をついて出易いものですが、それだけではないと思います。

 

一般市民レベルでは、統一通貨ユーロの導入は、ただのありがた迷惑だったのでは、無いでしょうか?

 

ギリシャもイタリアも、景気が悪くなった時の安全弁として使っていた、「自国通貨切り下げ」と言う道具を無くしてしまいました。しかも、金利政策も無くしてしまいました。

 

確かに、自国通貨の切り下げと言うのは、マクロ的に国全体が貧しくなることを意味しますが、

 

「乏しからざるを憂えず、等しからざるを憂える」

 

と言う言葉がある通り(ちょっと、使い方が違いますが)、政治的には

 

「みんなでちょっとずつ、気づかない内に貧しくなるけど、我慢しようね」

 

としないと、立ち行かないと思われます。

 

今ギリシャやポルトガル、スペインなどがやろうとしている様な、目に見える形での大幅な賃金カットは、悲惨な社会問題を引き起こすだけです。

 

ユーロ圏諸国は、「参加基準と参加プロセス」ばかり議論するのではなく、基準を満たせなくなった国が、スムーズにユーロ圏から退出出来る手続きと仕組みを、早急に作るべきだと思います。

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