« リーダーとしての覚悟 | トップページ | また休んでしまい申し訳ありません »

2010年6月29日 (火)

「増税で経済成長」はブードゥー経済学

菅新首相は、よく言えば柔軟、悪く言えば風見鶏的なところがあると思われます。

 

かつては、異常なまでに官僚を敵視し、徹底的に遠ざけたり、怒鳴りつけたりしていました(イラ菅と言うあだ名は有名ですね)。

しかし、政治主導を政治「家」主導と勘違いしてしまい、ド素人政権となって右往左往したことはご存知の通りです。

 

そこでやっと、ブレーンがいない政治家が「裸の王様」であることに気付いたのは良いのですが、今度はいくらなんでもヨイショのし過ぎで、あれでは官僚諸氏は苦笑いするしかないでしょう。

 

さて、その菅氏は誰に吹き込まれたのか

「増税しても正しく使えば経済成長が可能」

と主張し、これをカンジアンなどと呼んで悦に入っている様です。

 

一見、なるほどと思える説ですが、これはトンデモナイ経済学つまりブードゥー経済学です。

今の、収入が300万円しかない家が、400万円の借金をして700万円の消費(投資ではありません)をしている状態が、すぐに破産に結びつくであろうことは、誰にでも分かります。

 

しかし、バラマキを公約(マニフェスト)としてきた民主党は、いまさら

「無い袖は振れません」

と言う訳にも行きません。

 

そこで、出てきたのが

「増税で経済成長」

と言うブードゥー経済学です。

 

財政赤字を減らさねばならないことは、明らかですが、それには

「歳出削減」

「増税」

の二つの道があります。

 

両方と言う道もありますが、いずれにせよ

「どちらにバイアスを掛けるか」

が非常に重要です。

 

どうも、参院選の議論を聞いていると

「消費税上げと言う苦い薬の話をするのが、責任ある政治」

と言う言葉に、政治家自身が酔ってしまっている様に聞こえます。

 

実は、経済学の世界では、「歳出削減」か「増税」かと言う議論に関しては、実証研究が大量になされており、すでに結論が出ています。

 

最新のものでは、2010年の1月にハーバード大学の二人の教授が、1970年代以降のOECD諸国の行なった107の財政赤字削減策を分析した論文があります。

 

それによると、歳出削減を中心にした場合には、7割近い確率で財政赤字の大幅削減に成功しているのに対し、増税の場合には6割以上の確率で失敗しています。

しかも、歳出削減の場合には、経済成長もそこそこに出来ているのに、増税ではコケてしまっています。

 

真っ当な実証研究で

「財政赤字削減は『歳出削減』が王道」

とされているのに、

「増税で経済成長」

などと、G8やG20の場で公言してしまったのでは、相手にされるはずがありません。

 

ちなみに、イギリスの新政権は、より具体的な厳しい財政赤字削減案を発表しましたが、80%近くは「歳出削減」によるものです。

 

今回のG20では

「先進国は2013年までに財政赤字を半減させる」

と言う目標が掲げられました。

 

ところが、

「日本を除く先進国」

と言うことになっています。

つまり、真っ当な仲間だとは認められませんでした。

 

日本は、すでにギリシャを超える政府債務残高(対GDP比)を抱え、しかも

「増税で経済成長」

などと言う、聞くも恥ずかしいブードゥー経済学を首脳会議の場で披露してしまいました。

 

各国から「一人前の仲間」だと認められる訳がありません。

 

まさか

「日本は、この厳しい目標の実行を免除された」

と喜んでいる人はいませんよね?

 

子供の鬼ごっこで、小さい子や足が特別に遅い子、障害のある子でも一緒に遊べる様にと言うことで、博多では

「アブラムシ」

と言って、

「鬼にならなくてもいいよ」

と言うハンデをつけてやっていました。

 

日本はアブラムシ扱いされてしまったことになります(--)

--東京では「オミソ」とか「ミソッカス」と言うらしいですね 

« リーダーとしての覚悟 | トップページ | また休んでしまい申し訳ありません »